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ネットフリックス(Netflix):オンラインDVDレンタルの勝ち組
(本社:カリフォルニア州ロスガトス市)
オンラインDVDレンタルビジネスのネットフリックス(ナスダック:NFLX)が勝ち組であることを証明するニュースが2005年に入っていくつか発表さ れました。2005年5月には、小売大手ウォルマートがDVDレンタルから撤退、その代わりにネットフリックスのサービスの導入を決めました。一方、ネッ トフリックスは、DVDの販売はウォルマートで購入するよう会員に案内しており、コラボレーションによる相乗効果を狙っています。また、2005年10月 にはティーボ(TiVo)と共同で映画オンデマンド・サービスを開発し、ハリウッド映画の配給を確保していくための提携に合意したことを発表しています。 本来、レンタル業界では返却期限を設定し、遅れれば延滞料を取るのがビジネスモデルの常識でした。ネットフリックスはここに注目し、料金固定制の無期限レ ンタルをオンライン経由で展開、DVDプレーヤーの劇的な売上増加、簡便性の追求も追い風となり、ビジネスを拡大しています。2004年の売上は6億 400万ドル、2005年第一四半期売上1億5400万ドル、第二四半期売上1億6400万ドルと堅調です。株価は。2005年年初から132パーセント 上昇、過去3年間では892パーセント上昇しています。
【フラット会費でレンタル無制限】
CEOであるReed Hastings氏は、もともとはPure Softwareというソフトウエア会社の創始者だったのですが、大手ビデオレンタルショップ「ブロックバスター」での遅延料金40ドルにうんざりした体 験を元に、オンラインによるDVDビジネスを1997年に開始。1999年には現在の形態での会員制レンタルサービスを確立しました。
現在のネットフリックスのサービスは9.99ドルから17.95ドルの月額固定料金により、これまで映画好きを泣かせていた返却期限、延滞料を完全排除。 会員は店舗に赴く手間もなく、インターネット経由で毎月何本でもDVDをレンタルすることが可能です。映画のタイトル数も豊富で、現在50,000タイト ルが揃っています。通常のショップレンタルでは、この本数を一店舗に揃えることは恐らく不可能でしょう。当然ハリウッド映画のみならず、インディペンデン ト系低予算映画や外国語映画も多く、ファミリーユーザーから映画マニアまで、幅広い層をターゲットにしています。
レンタルの手順は以下のようになっています。会員はあらかじめインターネット上でレンタルしたいDVDを探し、複数登録しておきます。検索機能も充実して いて、タイトル、出演者、監督名、トップ100など、さまざまな切り口から検索することが可能です。すると優先順位が高く、かつ在庫のあるものから順に、 常時最大3本までがネットフリックスより普通郵便で送られてきます。通常郵送にかかる日数はわずか1~2日。会員は見終わったDVDから順に、返信用封筒 で返送。利用者の郵送費負担はなく、会員はポストに投函するだけでよいという仕組みになっています。
カスタマーサービスにも抜かりはありません。DVDに損傷があったり、未配達があったとしても、インターネット上でワン・クリックすれば簡単に再送してく れるため、会員の不満は少ないといいます。また、正式な会員になる前には、2週間のフリートライアルを体験し、自分にあったサービスかどうかをあらかじめ 確認することができるシステムになっています。
さらに特筆すべきは、ネットフリックスの「CineMatch」と呼ばれる膨大な口コミデータベースとその活用です。会員それぞれの過去のレンタル実績の みならず、300万人を超える会員が随時入力する、過去に見た映画の5段階評価のデータも蓄積されています。会員はその五つ星表示によるデータや寸評を参 照しながら、DVDを選ぶことができます。また、そのランク付けデータ、個々人のレンタル実績、それに同じ好みの傾向がある他会員のデータ等をもとに、会 員個人へメールやインターネット上で好みと思われるDVDを推薦。これが新たにレンタルする動機付けになっており、ネットフリックスによると約5割のレン タルがこのレコメンデーションシステムによるものだということです。つまり、大規模かつ実質的なOne-To-Oneマーケティングの実践がここで行われ ていることになります。小売業では既に使われていたこの手法も、レンタル業界では目新しいものといえます。
【大手参入とブロードバンド配信が最大の課題】
この徹底した簡便性と顧客満足度の追及により、カスタマーロイヤルティは非常に高く、途中でサービスをキャンセルする会員は少ないといわれています。イン ターネットやDVDプレーヤーのユーザー数急増に伴い、会員数はサービス開始後うなぎのぼりに上昇し、開業からわずか3年半で100万人を突破(AOLは 6年かかったと言われています)。2005年現在、会員数は約300万人となっています。
この人気サービスに目をつけ、同様のレンタルサービスを開始したウォルマートは、途中でビジネスの継続を断念しました。ビデオレンタルの最大手で5500 店舗を持つブロックバスターも2004年から同サービスを開始しましたが、依然ネットフリックスには追いつけない状態です。2004年末のブロックバス ターのオンライン会員数は75万人、映画タイトル数は4万人。なお、ブロックバスターは、2005年内に会員200万人獲得を目標にしているといいます。
テクノロジーの進歩によりビデオ・オン・デマンドや映画のダウンロードが一般家庭で可能になれば、DVDレンタル需要は縮小することが予想されます。つま り、現在の形態のビジネスモデルが長期にわたって安泰かどうかは不透明ということになります。しかし、オンラインレンタル分野では圧倒的な強みを見せ、ブ ロードバンドによる映像配信を睨んで布石を打つネットフリックスの今後の展開には、ますます注目したいところだといえるでしょう。
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